私が、本著を読んだ経緯は税理士をしていて借り入れの問題に直面されている社長が多いと感じたことがきっかけになります。
さらに、税理士のお客さんというのは中小零細企業といった小さな会社が主なお客さんになるため、タイトルに「小さな会社」と掲げられていたいうのが大きな理由になります。
今日は、こちらの本に書いてある内容をかなり抜粋して分かりやすくかいつまんで紹介したいと思います。
目次
どこから借りるべきか
結論から言うと日本政策金融公庫になります
その理由の1つは会社の規模と借り入れ可能な銀行には相関関係があるからと言えます
銀行融資コンサルタント諸留誕税理士のセミナー資料より抜粋
諸留誕税理士twitterアカウントはこちら
つまり、年商規模が1億円未満の会社の場合は基本的には地元の信用金庫には、取引相手として見てくれない可能性があるからです。
例えば、創業したての会社の社長がいきなり〇〇UFJ銀行に、融資を頼みに行ったところで門前払いとなってしまいます。
そこで本書では日本政策金融公庫の成り立ちから説明されています。
日本政策金融公庫の成り立ち
日本政策金融公庫は、平成20年に国民生活金融公庫(国金)、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫と国際協力銀行が統合されてできた、政府が100%出資の公的な金融機関になります。
国民生活金融公庫は、教育ローンなども扱っていましたので、日本政策金融公庫は国民大衆いに融資することを目的とした小さな会社を支援するためできた金融機関なのです
当時のデータでいくと、融資先数は95万企業になり、これは当時の中小企業数、約400万社に対して1/4が日本政策金融公庫を利用していたことになります。(p.102)
借金=悪ではない
これは先日、税理士のための銀行融資セミナーで登壇された諸留誕税理士もおっしゃていましたが、無借金経営が必ずしも一番言いわけではないと言っておられました。
それは本著でも同じ内容のことが書かれています。
仕入代金100万円の話(p.44)
自己資金以外で100万円を支払おうとした時には以下の2種類の方法が考えらます。
①100万円の借金をして仕入代金を支払う。
②仕入代金の支払いを延期してもらう。
どちらも仕入代金を支払うと言う意味では同じになります。
しかし、②の場合は取引先とのよほどの信頼関係がないと許可してもらえませんし、もし延期を申し入れられた取引先は経営が危ないのではないかと考え、支払いサイトの短縮や最悪の場合取引停止になってしまうかもしれません。
無借金経営はよい経営?(p.75)
まず無借金経営をするためには潤沢な資金がなければできません。
毎月の売上の中で支出を抑えつつコントロールすることが要求されます。
しかし、取引先の突然の倒産などで急に資金が必要になった場合はどうすれば良いのでしょうか。
その場合は社長の私的財産を補填するか親族、知人などから借入できる場合は借入をしても良いかもしれません。
それができない場合は銀行借入をすることになります。
しかし、無借金経営の問題は銀行との取引がないと言うところにあります。
無借金経営をしていた会社は経営状況は良かったので、借入の審査には通る可能性は高いですが、初回の借入となるため時間がかかります。
元々借入をしていて銀行との定期的な取引があれば、銀行も会社の状況が分かっているためスムーズに融資の手続きを進めることができます。
これらが、借金=悪ではないと言われる理由になります。
書籍情報
加藤康弘(2013)『小さな会社がお金を借りるなら銀行はおやめなさい』(株)青春出版社
まとめ
創業したての会社など小さな会社が借入にいくべき金融機関は、日本政策金融公庫になります。
日本政策金融公庫の成り立ちは国金などの4行の合併であり、国金は元々、教育ローンなどの国民大衆に向けた公的資金が100%の金融機関になります。
借金=悪ではなく会社を倒産させないためには借金と金融機関はうまく活用していくべきことが丁寧に書かれています。
編集後記
諸留誕税理士のセミナーに参加してから税理士はお金の面で経営者をサポートすべきと言う思いが強くなりました。
本当に良い学びの機会を与えていただいたことに感謝です。
息子(2歳)の成長日記
インフルエンザも完治し、今日ようやく保育園に行けました。
すぐに保育園の先生に抱きついていました。
一日一考
自分の中で融資という分野で発信して行きたい気持ちが非常に強くなってきました。
今日からはできる限り融資という切り口でブログ発信をして行きたいと思います。
スキー検定2級持ち、現在1級挑戦中の税理士・行政書士です。
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