【読み順書評】事業性評価と融資の進め方 =取引先の強みを伸ばし資金需要を発掘する

こんにちは!

 

みつばち会計事務所の丸山です。

 

融資ブログ6日目と言うことで、いよいよ事業性評価について書かれた本を読んでいこうと思います。

 

事業性評価とは何なのかこれを理解することが目的になります。

どんな人向けに書かれた本か

本著は、リッキービジネスソリューション株式会社の行っている融資コンサルティングの実績を通じて書かれており、前書きの部分では主に融資の経験が浅い銀行マン向けに書かれています。

 

その点を注意しながら、会社の経営者であれば銀行がどんな点を重視して経営状況などを確認するのか考えながら読むと良い本だと思います。

 

本著を読む際の道標

第五章から読んで下さい

その理由は、事業性融資とは何かは新作のゲームソフトが何かを知るようなものでいきなりそもそも論を読んでもイメージはつきにくいからです。

 

本著の第五章には全5業種に対して筆者のコンサル経験から得られた実例が書いています。

目次

第一章 事業性評価を理解する

第二章 企業の全体像を理解する

第三章 企業の事業内容を理解する

第四章 企業の強みを伸ばす支援をする

第五章 事業性評価に基づき融資を実行する

 

なので、この第五章を読むことで事業性融資が会社のどんな点を重視して評価するものなんかを知ることができます。

 

第四章第五節のSWOT分析を読んで下さい

SWOT分析とは、会社の強みと弱みを目視できるように書き出して分析する手法になります。

 

この指標をマトリックスのようにクロスさせて4つのボックス図にしたものをクロス分析になります。

 

事業性評価を行うに当たってサポートしてくれる分析手法になるので、第五章を読んだ上で戻って第四章第五節のSWOT分析を読んで下さい。

 

【SWOT分析のマトリックス図】

 

『事業性評価とは』を読むけど、飛ばしながらでOK

本著を書いた筆者のSWOT分析をして見たいと思います。

 

簡単に書くと、

強み・・・融資のコンサルタントとしての経験

弱み・・・元銀行マンが中心の会社であって現役の銀行マンではない

となります。

 

金融検査マニュアルの廃止が金融庁から公表されたのは2019年12月18日になります。

 

本著が記載されたのが2016年になります。

 

つまり、まだまだ銀行の現場では事業性評価が囁かれている段階で、従来のマニュアル主体での融資の評価が中心の時期になります。

 

さらに元銀行マンであれば当時の銀行の実際の業務までは人づてに聞いたら分かるかもしれませんが、融資コンサルタントであれば銀行内部の実態はわからないと言えます。

 

なので、本著では事業性評価についての概念は参考になりますが、銀行実務レベルでどの程度事業性評価が浸透しているかは伺い知ることはできません。

 

なので、冒頭の事業性評価の説明についてはそこまで重視して読む必要はなく流し読みでOKです。

 

セミナーなどを実施した際の生の意見(p.20)

本書を執筆された会社は融資のコンサルタント業務を行っています。

 

そのセミナーに出席された銀行の融資担当から以下のような意見があったそうです。

 

「若手職員が企業経営者と話ができない。お願いセールスから脱却できない。そもそも取引先企業がなぜお金(融資)が必要なのか分かっていない。」

 

なんか、会計事務所でも同じような言葉が聞こえてきそうですねww

 

上のSWOT分析に項目を追加すると

強み・・・融資のコンサルタントとしての経験、セミナー実績

弱み・・・元銀行マンが中心の会社であって現役の銀行マンではない

となり、このようなページで立ち止まってじっくり見るといいと思います。

 

金融庁の公表文章や資金繰りのテクニックなどが記載

上の流れで、初めに戻って読み進めました。

 

すると説明をするための補足資料として中小企業のための金融検査マニュアルの抜粋であったり、事業性評価に使用するための資金繰り表であったりと細かめに解説が加えられていました。

 

なので、必要そうな箇所を目次を見ながらかいつまんで行けば融資に必要なテクニック的な部分と言うのも見つけることができると思います。

 

事業性評価で今後の融資の現場が変わるのかについて著者の見解も書かれていましたが、ここではネタバレになりますので、ご興味のある方はぜひ本著をお買い求めください。

 

メルカリでも出品されています。

 

本著紹介

吉田浩二・リッキービジネスソリューション(株)(2016)『事業性評価と融資の進め方 =取引先の強みを伸ばし資金需要を発掘する』(株)近代セールス社

 

まとめ

本著は、融資コンサルティング会社が経験に基づいて、融資担当の新人の人向けに書いた本。

 

本著で紹介されているSWOT分析をすると、本著の強みは、融資のコンサルタントとしての経験、セミナー実績の部分。

 

そのため、読む順番は、第五章▶︎第四章第五節(SWOT分析)▶︎はじめに戻って読むで良いと思います。

 

事例の部分は参考になる点が多いですが、なにぶん、融資コンサルティングの会社が融資担当の新人さん向けに書いているため読みながら少し違和感は感じました。

 

編集後記

先週に引き続き融資関係の書評を書いていますが、内容を引用するだけなら本を読めば良い話なので、実際に自分が読んでいる順番で記事にすると書きやすかったです。

 

息子(2歳)の成長日記

今日は奥さんが保育園に連れて行きましたが、ごねていたようです。

土日が楽しかったんですかね。

 

一日一考

書評もたくさん書いているとコツが掴めてきます。

このペースで銀行融資の書評を量産したいと思います。

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