インタレスト・カバレッジ・レシオ。ん〜長いけど融資面でも投資面でも重要な指標について分かりやすく解説

こんにちは!

 

みつばち会計事務所の丸山です。

 

今日も融資における定量分析の一つの配点項目であるインタレスト・カバレッジ・レシオについて解説したいと思います。

 

定量分析とは銀行の格付けを決め過程において、決算書を使用してマニュアルにしたがって決められるいわば機械的に決められる項目になります。

 

なので、逆に言うと恣意性などは入らない項目であるため確実に得点することで融資において有利な状態で進めることができます。

インタレスト・カバレッジ・レシオとは

インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)とは、会社の借入金の利息の支払い能力をみる比率です。支払利息(インタレスト)をカバーする(カバレッジ)倍率(レシオ)という意味です。

 

これだけでは、なんのこっちゃですよね。

 

銀行融資における決算書の評価(定量分析)に置いては最も重要視される返済能力の指標において15点の配点が付けられる項目になります。

 

前回もお話しましたが、定量分析においては返済能力の指標が重要視されます。

 

計算式は以下のようになります。

 

Xの営業利益は本業から得た収入のことになります。

 

これに、Yの受取利息と配当金を足したものを式の上の分子に持ってきます。

 

この分子が表すところは会社が本業と投資で儲けたほとんど全ての儲けになります。

 

中小企業の場合は、別の会社の株を持っているということはほとんどないと思うので、Xの営業利益だけで計算してもいいかもしれません。

 

で次に、下の分母ですが借入などの利息をここに持ってきます(Y)。

 

この式が意味するところは、会社の一年間の儲けが借入の利息の何倍程度あるかというものになります。

 

会社の格付によれば、1倍を超えると配点が付けられます。

ICR配点
5倍超15
5倍以内12
4倍以内10
3倍以内
2.5倍以内
2倍以内
1.75倍以内
1.5倍以内
1.25倍以内
1倍以内

 

1倍は営業利益と支払利息がイコールなので、つまりトントンで会社の利益は出ていないので配点が0点になります。

 

この指標をもう少しビジュアル的にみると以下のようになります。

 

ICRは会社のこれまでの利益の蓄積であるBSではなく、一年間の活動で変動するPLの数字のみで構成されます。

 

なので、ICRは短期的な会社の状態を見るための指標とも言われ、判断スピードが求められる株式投資の世界に置いても重要視される指標になります。

 

ちなみに投資の世界では、目安は1倍で投資判断の基準になるそうです。

 

『参考元』すべての投資家へ

https://availability89.com/financial-indicators/safety/interest-coverage-ratio/

このICRの配点を上げたい中小企業の社長の方は、べたべたの利益の決算書を作成するのではなく支払利息に応じて3倍から5倍の営業利益が出るように着地点を設定すると良いと思います。

 

まとめ

インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)は借入金の支払能力を見る指標。

 

銀行融資の定量評価に置いては返済能力で15点の配点。

 

PLのみで計算されるため短期的な支払能力を測るための指標と言える。

 

中小企業の決算においてICRの配点を上げるためにはべたべたの数字ではなく少し余裕を持った利益での着地をする必要がある。

 

参考図書

  • 池井戸潤(1997)『会社の格付』中経出版
  • 相馬裕晃(2017)『事業性評価実践講座―銀行員のためのMQ会計×TOC』(株)中央経済社

 

 

編集後記

今日は、顧問先との打ち合わせでした。

梅田のカフェでやりましたので、帰りはヨドバシに寄ってYouTubeの撮影用の機材や1階のユニクロで衣装を見ました。

ユニクロの自動レジ超便利ですね。

息子(2歳)の成長日記

クリスマスプレゼントでおじいちゃんとおばあちゃんからもらったパトカーのおもちゃがお気に入りで、保育園に持って行きます。

一日一考

定量分析が一段落したら定性分析についてブログにしていきたいと思います。

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