本題
今日のブログは、こちらのブログを参考に構成させていただいております。
民法の基礎を分かりやすく解説されていて、とても勉強になるのでおすすめです。
民法上の契約形態
民法上の契約は、決まっています(典型契約13個)。
興味のある方は、ぜひ上記のブログを参考にしてください。
そこで注目したいのは、業務委託契約は民法上の契約ではないという点です。
民法上の契約は、請負契約と委託契約になります。
業務委託契約は非典型契約と言われますが、この業務委託契約に該当すると、印紙税法上7号文書に該当する可能性が出てきます。
ちなみに、業務委託契約というのは、仕事の完成を約束せず、契約に定めた業務を行うことを約束する契約形態になります。
民法上に請負契約にも委託契約にも該当しないため、どうしてもこのような表現になってしまいます。
第7号文書
・継続的取引の基本となる契約書
→売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書など
※契約期間が3か月以内であり、かつ更新の定めがないものは非課税です。
さて、まずは業務委託契約の話をした理由ですが、それは、その業務委託契約が第7号文書に該当するかもしれないという話をしたいと思います。
印紙税というのは、実に独特の法律で紙の契約で第〇〇号文書に該当すると、その契約書に一定額の印紙を貼る必要があります。
そして、この第7号文書に該当すると、4,000円もの印紙税を貼る必要があるため、紙で巻いた業務委託契約が第7号文書に該当するかどうかは慎重に判断する必要があります。
結論からお話すると、大抵の業務委託契約というのは、この第7号文書に該当しません。
その理由は、業務委託契約のうち、第7号文書に該当するのが、売買や金融機関、保険募集、株式の発行を委託するための業務範囲や支払方法を定めた契約に限定されているからです。
売買に関する業務、金融機関の業務、保険募集の業務または株式の発行もしくは名義書換の事務を継続して委託するため、その委託する業務または事務の範囲または対価の支払方法を定める契約書
企業実務サポートクラブ「「継続的取引の基本となる契約書」(第7号文書)と印紙税」より引用
何気なく、巻いてしまう便利な業務委託契約ですが、印紙税の課税が限定列挙なのでうまくすり抜けていたということになります。
しかし、売買契約に関する取り決めなどを別途、契約書で巻いたような場合は、第7号文書に該当する可能性が出てくるので、安易に契約書を増やすのは印紙税の課税リスクを増やすことになります。
電子契約への移行
このように、印紙税と業務委託契約について記載を行ってきましたが、電子契約にすれば印紙税の問題はなくなります。
なぜと言われても、印紙税とは紙で契約を巻くことに対して掛かる税金だからと言う他ありません。
ただし、不動産取引の一部の契約は、公正証書によって契約を締結する必要があるため、電子契約が物理的にできないものというのも一定数あるようです。
参考:クラウドサイン「不動産取引の契約書に発生する印紙税とは?不動産売買・賃貸・使用貸借契約書に必要な収入印紙を解説」
ただし、契約というのは口頭でも民法上成立するように、契約自由の原則で自由なものなので、紙でないといけないというのは、歴史的にそのような文化であっただけで、電子契約が広まりつつある現代の方が、より民法の原則に即してきたと言えるかもしれません。
税金の全てが、正義に即しているわけではないというわけで、印紙税は問題視されることが多い税金の一つです。
まとめ
業務委託契約は、民法上の契約ではありません。
業務委託契約は、印紙税法上の第7号文書に該当する可能性がありますが、役務の内容が限定列挙であるため、結果的にすり抜けていると言えます。
電子契約を行えば、印紙税が掛かることは、今のところありません。
電子文書に印紙が物理的に貼れませんからね。
息子&娘(5歳7ヶ月&1歳7ヶ月)の成長日記
娘がなんでも欲しい年齢で、夕食の際にお兄ちゃんのウインナーを狙いに行きます。
そして、私は息子に早よ食べと言いますが、息子は自分のマイペースなので、怒られたと思って怒ります。
夕飯時は、なかなか賑やかです。
大変ですが。
スキー検定2級持ち、現在1級挑戦中の税理士・行政書士です。
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既婚で、7歳の男の子と3歳の女の子の父親です。
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