ネコがゆるっと漫画で解説医療広告ホームページガイドライン│具体例編

まいどおおきに!

株式会社スカイクラウドのTOMOYUKIです。

ホームページで初診の患者さんを呼び込みたいと考える先生は多いと思います。

今回は、そんな、今からホームページ運営を検討されている先生に向けて、おさらいの意味を兼ねて、広告のガイドラインではなくホームページガイドラインについて解説したいと思います。

なお、今回の記事は、自らもしくは従業員さんで自社ホームページを運用していきたいと考えられている方向けに記載しておりますので、ホームページ運用を完全に外注している。自社のホームページを作成する予定がない方については読まれても意味がありませんのであしからず。

 

目次

医療広告ホームページガイドラインの位置づけ

ホームページが広告に該当しない前提で指針が提示されている

平成30年5月8日に医療広告ガイドラインが制定されましたが、遡ること6年、厚生労働省から医療機関ホームページガイドラインというものが公表されました。

医療機関における広告規制が敷かれる前のもので、今回公表された医療広告ガイドラインほど話題とはならなかったようです。

しかし、その内容は直近に公表された医療広告ガイドラインと同様の趣旨で作成されており、ホームページを運用していく上での倫理規定という重要な位置付けにあると言えます。

 

記載事項を厳守しなければ罰則があるわけではない

医療機関ホームページガイドラインの趣旨は、冒頭に記載されています。

本指針は、美容医療サービス等の自由診療を行う医療機関のホームページに掲載されている情報を契機として発生するトラブルに対して、適切な対応が求められる事態が生じている状況等を踏まえ、インターネット上の医療機関のホームページ全般の内容に関する規範を定め関係団体等による自主的な取組を促すものである。

(出所)「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針

このように、何か罰則や行政指導があるわけではなく、ホームページ運営の行動規範を示すものとされています。

 しかし、今後法改正などでホームページについても厳しく規制される可能性もあり、その場合は、せっかく時間を掛けて作成したホームページを一から見直さないといけない事態になるかもしれません。 

 

であれば、初めからガイドラインを遵守して作成することが賢明な判断だと言えます。

そこで、以下の章では、本ガイドラインに記載されている具体例を抜粋して分かりやすく解説させて頂きます。

 

 

ホームページに掲載すべきでない事項として具体例を紹介

虚偽、事実の証明が出来ないもの

画像加工などの具体例

加工・修正した術前術後の写真等の掲載

こちらは、分かりやすいですね。

事実がばれたら新聞沙汰になりかねない悪質な行動です。

 

文言の具体例

「当院では、絶対安全な手術を提供しています」
 

「どんなに難しい症例でも必ず成功します」

100%の成功は医学的に困難であるため、そのような表現は虚偽にあたると判断されます。

 

 

他との比較等により自らの優良性を示そうというもの

「日本一」 「No.1」 「最高」等、他と比較するような表現

「○○の治療では、日本有数の実績を有する病院です」

 
「当院は県内一の医師数を誇ります」
 

病院の優良性について患者の誤解を招く可能性があると判断されます。

以下の場合も同様の理由で記載すべきでない具体例として記載されています。

「芸能プロダクションと提携しています」
 

「著名人も○○医師を推薦しています」

 

 

内容が誇大なもの

「内容が誇大なもの」とは、必ずしも虚偽ではないが、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させたりするものを意味する。
ここで言う「人を誤認させる」とは、国民・患者がホームページに掲載されている内容から認識する印象・期待感と実際の内容とに相違があることを常識的判断としていえれば足りるものであり、国民・患者が誤認することを証明することや、実際に誤認したという結果までは必要としない。

と、ここでの誇大の意味が説明されています。

 

任意の専門資格、施設認定等の誇張又は過度な強調

 
「知事の許可を取得した病院です」
 
これは、当然のことと判断されます。
 
「医師数〇名」(意図的に古い情報等を掲載しているもの)
 
実態とかけ離れた人数のまま更新されてない場合になります。
 
「〇〇学会認定医」(活動実態のない団体による認定)
 
「〇〇協会認定施設」(活動実態のない団体による認定)
 
客観的かつ公正な一定の団体以外は、全て記載すべきでないものとして取り扱うべき旨が示されています。
 
「〇〇センター」(医療機関の名称又は医療機関の名称と併記して掲載される名称)
 
こちらは、「救急救命センター」「休日夜間急患センター」「総合周産期星医療センター」「地域における中核的な機能・役割を担っているものとして都道府県等が認めるもの」以外は、原則記載すべきものではないと判断されます。
 
 
 

手術・処置等の効果・有効性を強調するもの

撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した手術前後の写真等
 
 虚偽と判断され、内容によっては、医療法以外の法令で規制され得るものです。 

 

医療機関にとって便益を与える体験談の強調

当該医療機関にとって便益を与えるような感想等のみを意図的に取捨選択し掲載する
患者に謝礼を支払うなどして、当該医療機関にとって便益となるような感想等のみが出されるように誘導して掲載

 

提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引

「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント 」

 

 

表現や費用が過度に強調されたもの

いわゆる民間の販売促進キャンペーンに類似した商品販売

「ただいまキャンペーンを実施中」
 
「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています
 
「 ○○100,000円50,000円」
 
「○○治療し放題プラン」
 
 
 
 
 
 

実際は、1か所では収まらないケースが想定されるもの

 
「 顔面の○○術 1か所○○円」
 

仮に、小さな文字で注釈等が入っていても、同様の取扱いとすべきとされている。

 

 

科学的な根拠が乏しい情報に基づいて、受診や特定の手術・処置等の実施を不当に誘導するもの

「○○の症状のある二人に一人が○○のリスクがあります」
 

「こんな症状が出ていれば命に関わりますので 今すぐ受診ください」

「〇〇手術は効果が高く、おすすめです。」

 

「○○手術は効果が乏しく、リスクも高いので、新たに開発された○○手術をおすすめします」

以上のものについては、ニュアンスの理解が難しい具体例になります。

共通していえることは、何らかの手術・処置等に誘導する意図をもった内容の記載については信頼性の高い根拠を提示した上で記載することが求めらるということになります。

 

 

公序良俗に反するもの

わいせつ・残虐な表現等になります。

 

医療法以外の法令で禁止されるもの

こちらについては、当然といえば当然と言えます。

ガイドラインには、例示として以下の4つの法律が列記されていますが、もちろん4つ以外の法令の遵守も当然求められます。

①薬事法

②健康増進法

③不当景品類及び不当表示防止法

④不正競争防止法

 

ホームページに掲載すべき事項として具体例を紹介

 ガイドラインでは、自由診療を行う医療機関に限って以下の項目の記載が義務付けられています。 

通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項

原文を確認する。
自由診療は保険診療として実施されるものとは異なり、その内容や費用が医療機関ごとに大きく異なり得るため、その内容を明確化し、料金等に関するトラブルを防止する観点から、当該医療機関で実施している治療等を紹介する場合には、治療等の名称や最低限の治療内容・費用だけを紹介することにより国民・患者を誤認させ不当に誘引すべきではなく、通常必要とされる治療内容、平均的な費用や治療期間・回数を掲載し、国民・患者に対して適切かつ十分な情報を分かりやすく提供すること。平均的な費用が明確でない場合には、通常必要とされる治療の最低金額から最高金額までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すこと。

また、当該情報の掲載場所については、当該情報を閲覧する者にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点・長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用することは控えること。

上記の内容の本質的な部分は、患者さんが予期しない内容の手術や治療を受けることがないように治療については、実施される手術や治療の内容と費用の全部を記載すべきということと、文字の大きさについても配慮すべきというところになっている。

 

 

治療等のリスク、副作用等に関する事項

原文を確認する。
自由診療に関しては、その利点や長所のみが強調され、そのリスク等についての情報が乏しい場合には、当該医療機関を受診する者が適切な選択を行えないおそれがあるため、利点等のみを強調することにより、国民・患者を誤認させ不当に誘引すべきではなく、国民・患者による医療の適切な選択を支援する観点から、そのリスクや副作用などの情報に関しても分かりやすく掲載し、国民・患者に対して適切かつ十分な情報を提供すること。
また、当該情報の掲載場所については、上記と同様、当該情報を閲覧する者にとって分かりやすいよう十分に配慮すること。

上記の内容の本質的な部分は、実施される手術や治療について予測される副作用について表示すべきというところと、やはり、上記と同様に文字の大きさについても配慮すべきというところになっている。

 

 

まとめ

医療ホームページガイドラインは、一見すると消費者目線で考えると一般的なことが記載されているように思われる。

しかし、医療が生命・身体に関わるサービスである点、極めて専門性の高いサービスであることから、不特定多数に閲覧されるホームページにおいては、世間一般の商売とは異なる表示が求められる。

消費者目線というのは、Webビジネスにおいて最も重要な要素であるため、医療ホームページガイドラインを遵守するということは自然にWeb広告としても品質の高いホームページを作成できることに繋がると言えます。

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