目次
本編
なぜ、12月賞与にするのか
理由① 個人は暦年課税であるため
今日は、私のブログとYouTubeで人気のコンテンツの1つ、役員賞与について、ちょうど支給時期にもなるので、実際に役員賞与を運用する際の話をしたいと思います。
まず、私が、役員賞与を設定するタイミングとしてよく使うのは、12月になります。
いわゆる冬季賞与になります。
これは、個人の税金の計算が暦年であるため、役員報酬を事前に算定する際、個人の所得の額面が一定になるようにするためです。
例えば、3月決算の会社があるとします。
会社の年度末は3月になるため、一般的な社員であれば、3月に賞与を支給するというので良いと思います。
しかし、役員の場合、毎月の給与も賞与も事前に決めた金額を支給する必要があります。
今まで、役員賞与を支給しておらず、毎月の役員報酬を下げて、役員賞与を支給する場合、どこかの期間を基準に金額を決める必要があります。
(例)
毎月60万円、年間720万円支給
↓
4月から20万円支給、賞与を年1回支給
などに変える場合、1月から3月までは、60万円支給して、4月から12月まで20万円を支給した場合、暦年の支給額を去年と同じにするためには、4月から12月までの9ヶ月間の差額を賞与として12月に支給する必要があります。
もちろん、そこを合わせない選択肢もありますが、個人の所得税の計算期間が暦年である以上は、そこを基準に計算するというのは、1つの選択肢になるわけです。
理由② 源泉所得税の計算を簡素化するため
実は、賞与について、源泉所得税の計算をするには、本業である税理士でも見たくないような計算方法で算定する必要があります。
詳細は割愛しますが、例えば、賞与金額が前月給与額の10倍を超える場合は、以下のように計算することになります。
引用元リンク クラウドERPスマイルワークス
ややこしいですよね。
いくら、給与ソフトが発展しているとはいえ、計算が合っているかどうかのチェックは必要になります。
そこで、12月賞与のタイミングで、年末調整も一緒にやってしまいます。
そうすれば、年間の源泉徴収する所得税の金額が決まるので、12月賞与の支給タイミングで、わざわざ複雑な源泉所得税の計算をする必要がなくなります。
経理でもなければ、ここまで理解する必要はないとは思いますが。
社会保険の計算方法
賞与を支給したら、社会保険料が安くなる。
そういう話があります。
実際に、役員賞与の活用方法する一番大きな理由の1つと言えます。
では、賞与の場合、保険料率が変わるのでしょうか。
そんなことはありません。
計算方法は少し違いますが、役員報酬とほとんど同じ保険料率が掛かります。
では、なぜ、賞与を支給すれば、社会保険料が安く計算できるかというと、それは、賞与の支給額によって、社会保険料の上限額が決まっているからです。
例えば、大阪府の現時点(令和2年11月26日現在)の保険料率は、
健康保険(介護保険含む)12.01%
厚生年金保険 18.3%
合計 30.31%
つまり、毎月60万円の役員報酬を取ると、毎月の支払額は約30%の18万円にもなります。
ばか高いですよね。
さらに注目していただきたいのは、厚生年金保険18.3%とその比率は、将来ための年金となります。
前置きが長くなりましたが、賞与の支給では、1ケ月の上限額が決まっていて150万円となります。
つまり、ばか高い厚生年金について、役員報酬ではなく、賞与として、一気に支払うことで、150万円を超える部分については、厚生年金保険の計算から外れるため、年間で支払う保険料の総額を下げることができることになります。
例えば、300万円の賞与を支給するとしたら、150万円分の厚生年金保険の支払いがなくなるため、150万円✖️18.3%=273,400円の金額の支払いがなくなることになります。
もちろん、賞与の金額が高くなればなるほど、その差額は大きくなります。
しかし、その分、年金の積立ても少なくなります。
ただ、将来の年金が十分貰えるか分からない中、このような選択を考える社長が増えているのも事実です。
健康保険についても上限の計算はありますが、これは、厚生年金よりもハードルが高いので、利益が相当上がる会社でないとその上限を超えることは難しいと思います。
まとめ
役員賞与の建前の理由として、従業員と同じように賞与が貰いたいというものがありますが、それはあくまで建前です。
役員賞与の支給の仕方で、キャッシュの出入りが変わります。
こうした対策は、会社の立派な資金繰りの一環だと思います。
編集後記
今日は、確定申告の件で、打ち合わせが1件になります。
息子(3歳2ヶ月)の成長日記
昨日から、おばあちゃんに買って貰ったトミカの警察署セットで遊んでいます。
子供が夢中になるように、精巧に作り込まれているのが、よく分かります。
レッツゴージャイアンツ
日本シリーズ第四戦 負け
ついに、終止符が打たれました。
下馬評通りの結果と言えばそれまでですが、去年と同じ最悪の4連敗でした。
ソフトバンクは、日本シリーズに絶好調の選手が多くいた印象です。
そこら辺は、ソフトバンクの計算通りなのかもしれません。
ここ10年の日本シリーズの結果は、パリーグが圧倒しているので、やはりDH制の導入はセリーグで必須なのかもしれません。
でも、今年の巨人はペナントは本当に強かったです。
私も存分に楽しませてもらいました。
コロナの中、こういうスポーツの開催は難しいことだと思います。
選手並びに、監督、球団関係者の方には、お疲れ様でしたと言いたいです。
しっかり休憩していただいて、また来年楽しませてください。
1年間お疲れ様でした。
なお、レッツゴージャイアンツ の連載は来シーズン開幕まで休止させていただきます。
ご覧いただきまして、ありがとうございました。
阪急塚口駅南に徒歩5分、阪神高速・尼崎インター下車北へ車で5分のところで開業中の税理士・行政書士です。
既婚で、7歳の男の子と3歳の女の子の父親です。
著書「研究計画書の書き方 Kindle版」発売中
よろしくお願いします。