経営者は税理士に何を求めているのだろうか。
私は会計業界で約5年、会計ソフトの会社にも在籍していたので、会計業界には約8年ほどいる。
会計業界は基本的には斜陽産業と言われているので顧問先が増えない会計事務所がほとんどで、所長も無理に集客に力を入れるということはしていなかった。
その理由としては、昔から顧問契約しているクライアントの報酬が割と高く設定されていること。
顧問先が増えると従業員も増やさないといけないが、求人はすぐには出来るものでもないことがあげられる。
まあ、こんな悠長なことを言ってられたのもつい5年ほど前までだろう。
今では、おっちゃんおばちゃんでもスマホを持って検索する時代である。
いくら長年契約してきた税理士事務所といっても昔ほどの景気の良さもないのに高い顧問料を今まで通り払ってはいけない。
顧問料が利益を圧迫して会社がつぶれるなどは本末転倒なことである。
税理士報酬というのはサブスクリプト型の契約となっていて、月々の報酬を払うことが通常で、毎年1回決算料も支払う必要がある。
サブスクリプト型の契約は別の記事でも記載したが、結果的に非常に高額な買い物になる。
毎月はそれほどの金額に感じないが、年間の合計顧問料を計算してみるとかなりの金額になる。
実は、税理士に対する不満で一番多いのが対価に見合ったサービスをしてくれないことである。
そこで税理士紹介会社の出番である。
●税理士を雇っていない経営者
●税理士に不満がある経営者
●税理士紹介会社を活用しようとしている税理士
●税理士紹介会社に勤務する人
目次
税理士紹介会社を利用するメリットは3つ
紹介会社に相談するメリットは3つあると思っている。
●いろんなタイプの税理士がいることを知れる
これが、クライアントにとって一番のメリットである。
長年同じ税理士に依頼をしているとそのサービスが普通だと感じて、顧問料もそれが普通だと感じるようになり、対価に見合わない顧問料を支払っていても文句を言えない状態の人も多い。
むしろ、どんなサービスを受けているのか理解できず、文句のいいようがない人も多かった。
しかし、世の中にはいろんなタイプの税理士がいて、それこそ医者に専門があるように税理士にも得意なこと不得意なことがある。
顧問料だけで税理士チェンジを決めることは賢明な判断でない場合もあるが、紹介会社を利用することで井の中の蛙にならずに済む。
●第3者の目線で紹介してくれる
第3者の意見は信頼できるものである。
税理士から「全力でやります」とか「安心して下さい」と言われても正直、何を?と思われる方もいると思う。
そこで、公平な立場で判断できるその道のプロがいればおのずと正しい方向に導いて貰える。
但し、これは、紹介会社の中で税理士事務所のことを公平にジャッジしていた場合などの話で、紹介会社はばりばりの営利企業なので、お金の力で紹介の優先度を変えていなければという前提である。
●みなさんは税理士に直で不満をぶつけることが出来ているでしょうか。
私が知る限り税理士に直で不満を言う時は解約の覚悟を持っている時なので、ほとんどそんな場面を見たことがない。
やはり、先生というイメージで逆らったら不利な計算をされてしまうなどと考えて言えない人が多いと思う。
それが第3者を介することでその不満を包み隠さず話すことが出来る。
逆にデメリットは5つほどあると思っている。
●税理士は紹介会社に年間顧問料の半分以上を支払っている
●紹介会社はバリバリの営利企業なので、常に公正な判断で税理士を紹介するとは限らない
●集客が苦手な税理士を紹介される可能性が高い
●暇な税理士を紹介される可能性がある
●自分で税理士を探すメリットを放棄している
●税理士は紹介会社に年間顧問料の半分以上を支払っている
紹介料は多少払うが金額まではクライアントは知らないと思う。
はっきり言ってべらぼうな金額を支払うことになる。
紹介会社によってばらつきがあるかもしれないが、年間顧問料の50%以上は請求される。
年間顧問料は決算や年末調整の金額も含まれるため、例えば顧問料3万、決算料10万、年末調整料2万の合計48万とした場合、最低でも24万以上は紹介会社の取り分となる。
なので、1年目はへたしたら税理士の方は赤字になる可能性もある。
であれば、紹介会社を経由しないで信頼できる人で適正な金額でやってくれる税理士がいたら、そちらに頼んだ方が支払う顧問料を抑えた上で良質なサービスを受けれる可能性がある。
●紹介会社はバリバリの営利企業なので、常に公正な判断で税理士を紹介するとは限らない
紹介会社はもうバリバリの営利企業だ。
一方、税理士に関わらず士業は国の機関に所属しており株式会社ではない。
なので、完全に営利を追求して商売をすることには一定の制限がどうしてもある。
そういった士業を選択する際に安易に税理士紹介会社を経由することは本当に自分とマッチする先生を選ぶのには適していないかもしれません。
●集客が苦手な税理士を紹介される可能性が高い
税理士紹介会社に登録している税理士は基本的に自分で集客出来ないので税理士紹介会社に登録している。
そんな税理士に集客についての相談は出来ないだろう。
税理士は節税については専門分野になるが集客については専門というわけではない。
しかし、会社経営で重要な要素は言うまでもなく売上になる。
つまり、経営の相談で集客については税理士に相談しても的を得た回答はされない可能性が高い。
税理士に会社相談のよろずやを期待している経営者はそこにギャップを感じるかもしれない。
●暇な税理士を紹介される可能性がある
税理士紹介会社に登録したらクライアントが増えたという先生は良く聞く。
ということは、紹介会社に登録している税理士はすぐにクライアントで手一杯になる可能性があります。
まあそうなったら紹介会社の登録を解除する税理士が多ければいいのですが、全員がそうとは限らないと思います。
求人をしてすぐに担当が見つかればいいですが、会計事務所に限らず求人難の時代なので、すぐには見つからない可能性が高いです。
だとするとサービス面で低下してしまう可能性もあります。
さらに、税理士ではない担当者が担当する可能性も高くなるでしょう。
●自分で税理士を探すメリットを放棄している
これは一般論になるかもしれませんが、紹介会社を使うということは、自分で考えて税理士を探すことを放棄していることに他なりません。
例えば、携帯電話を買い替える時に完全に人の勧めで交換する人がいますが、それは自分で悩んで決める機会を放棄していることに他なりません。
他人が勧めることは最終的にはその人にとってベストな選択とは限りません。
選択をする段階で比較検討する中で税理士とはどんな仕事をしていて、どんな種類の税理士がいるのかを知ることができます。
税理士を変えるに至った原因も自分で探す中で見つけることが出来るかもしれません。
長いお付き合いになる税理士だからこそ、紹介会社を使わず自分で選ぶことは価値があると思います。
まとめ
紹介会社というのは税理士業界に限らずどんな業界にも存在する。
いわゆるマッチングビジネスである。
マッチングビジネスはクライアント、専門家、紹介会社の3者の絶妙なバランスで成り立っています。
まさに、時代にマッチして成長してきた会社と言える。
利用する時はメリットとデメリットを把握した上で利用することをオススメします。
スキー検定2級持ち、現在1級挑戦中の税理士・行政書士です。
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既婚で、7歳の男の子と3歳の女の子の父親です。
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よろしくお願いします。
●いろんなタイプの税理士がいることを知れる
●第3者の目線で紹介してくれる
●税理士には相談出来ないことを相談できる