まいどおおきに!
税法大学院合格コンサルタントのTOMOYUKIです。
JIJI.COM
『近大准教授が盗用疑い=教科書50ページ分など』
最近の事件で近畿大学の法科法学部の男性准教授が執筆した教科書などが、他の文献から動揺した疑いがあるとして問題となる事件がありました。
准教授は大学の調査の際に「教育用の文献には、研究論文ほど厳しく著作権が適用されないと思っていた」と話していたそうです
朝日新聞DIGITAL
『近大准教授を無断転載で諭旨解雇 書籍10冊に91カ所』
私も情報大学院を卒業した際に税法で論文を執筆しましたが参考文献を引用して作成をしました。
それに、日々ブログを書くにあたって他のホームページから引用をすることがあります。
引用のルールに従って作成されたものであれば研究計画書であれブログであれ問題はありません。
そこで今回は情報を発信する立場の者として、最低限押さえておきたい引用のルールについて考えてみたいと思います。
目次
著作権法とは
著作権法は、著作物の創作者である著作者に著作権(著作財産権)や著作者人格権という権利を付与することにより、その利益を保護している。同時に、著作物に密接に関与している実演家、レコード製作者、放送事業者及び有線放送事業者に対して著作隣接権等を付与し、これらの者の利益も保護している。
by Wikipedia
著作権はドラマとかでも結構出てくるのでご存知の方は多いと思います。
ようするに、1次的に創作されたものについてその創作者を保護するための法律になります。
そして、引用については、この著作権法の中に明記されています。
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
公益社団法人著作権情報センター CRIC
つまり、引用という行為は正当な範囲内で行われている限り違法ではありません。
法律の難しいところだと思いますが、じゃあ、正当な範囲というのは何でしょうか。
ここは1つ、先人のブログを参考にさせて頂きたいと思います。
私も聞いたことはあるのですが、引用の5要件というのがあり、詳しくは以下を参照下さい。
impress
『引用のどの程度ならOK? 引用の5条件を理解して、正しく使おう!』
ざっくり言うと、引用元の文章を変えずに、引用元を明らかにしてしっかり引用と分かるように区別して表示する必要があると言えます。
ただ、明確にここからがダメでここからがOKということはないようなので、次に私が修士論文を作成した際に教授から教わった引用のやり方をまとめておきます。
研究計画書、論文を作成する場合の引用方法
具体例は以下になります。
こちらは、私のメルマガ登録特典で無料で配布させて頂いているPDFの内容の一部になります。
【著者が 1 人で書いている一般的な専門書の場合(単行本)】
著者(発行年)『本のタイトル』出版社 ページ数
(例)
金子宏(2017)『租税法 第二十二版』弘文堂 p.〇〇
【複数の人が書いた文章がいくつかまとまって本になっている場合(編著)】
著者・編者(編)(発行年)『本のタイトル』出版社 ページ数
(例)
山根孝一・西川智哉(2018)『図解でわかる 法人営業の「しくみ」化』アニモ出版 p.〇〇
【専門家が執筆した判例評釈や論文集などの場合(雑誌)】
著者(発行年)「論点の題名」『雑誌名』巻号 出版社 ページ数
(例)
岩品信明(2016)「帳簿不提示と仕入税額控除」『別冊ジュリ』228 号 有斐閣 p.〇〇
【WEB サイトの場合】
サイト名 (http://○○○○○○○○○○(最終閲覧日:○年○月○日))
(例)
国税庁 HP (http://www.nta.go.jp/(2018.7.22))
※ハイパーリンクは削除する。
ワードの場合は右クリックして、≪ハイパーリンクの削除≫を選択します。
ブログの場合の引用方法
研究計画書であれ、論文であれブログであれ文章を引用する場合は著作権法の引用のルールから外れないかどうかということが基準になります。
明確なルールがない中で1つの指針になるのが、一般的に言われている引用の5つのルールになります。
基本的には、WordPressには引用したことが分かるように印をつけることが出来ます。
それが、上の文章でも使っているものになります。
引用元のホームページ
こうすることで、例え引用したとしても引用元を明示しておくことが出来ます。
URLのハイパーリンク化はあくまでホームページを閲覧して頂いた方が見やすいようにしているだけで、出所が分かる範囲の表示で構いません。
次に気を付けたいのが、引用する文章の量です。
今回の記事の冒頭で盗用と判断されたのは、その引用のボリュームが問題となっていました。
つまり、しっかり引用元を記載していたとしてもそれが一定の範囲を逸脱すると盗用と判断されかねないということです。
ここらへんは、さじ加減が難しいところですが、常識の範囲内で判断するしかないところと言えます。
孫引きも注意が必要
私が修士論文を執筆した際に教授に口酸っぱく言われたのが孫引きをしないことでした。
例えば、ブログ記事を引用した際に、そのブログがある本を引用して書かれていた場合に、それを知らずに原本の本を引用元に記載しなかった場合は、引用の5つのルールを満たしていないと言えます。
論文を作成する場合は、一次文献の出所を記載することが求められます。
これはブログ記事の引用の際にも同じことが言えると思います。
スピード違反もそうですが、知らなかったでは通用しないのが法律の世界になります。
一応、孫引きについては、以下のブログ記事に詳しく載ってますので、参考にして下さい。
レファレンス協同データベース
レファレンス事例詳細
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000225927
今回のブログ執筆の際の参考にした本
今回のブログ記事の執筆に当たっては、以下の本を参考にさせて頂きました。
弁理士の方が、著作権法について実例とイラストを交えて解説されていてとても勉強になりました。
ちなみに、こちらはAmazonのkindleunlimitedで読み放題です。
キンドル版でも購入可能です。
まとめ
引用したつもりが、まさかの盗用と判断されてしまう。
これだけはなんとしてでも避けたいところです。
なので、引用する際は最低限、引用の5つのルールは守った上で、それでも安心せずに慎重に行いたいものですね。
誰も内容証明郵便を送られたくはありませんからね。
息子(1歳11か月)の成長日記
お母さんにだっこされると体の芯が抜けたようにふにゃふにゃになることがあります。
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