【税金の話】株は、法人と個人どっちで持った方が得なのか?

がんばる税っ!

 

みつばち会計事務所の丸山です。

 

コロナの影響で確定申告期限が延長しました。

 

確定申告時期の風物詩の一つに株の申告があります。

 

個人で株を所有している人で損失が発生した場合は申告することで3年間損を繰り越せるので確定申告をすることになります。

 

ただ、法人で株を持っている人はほとんどいません。

 

そこで今回は法人で株を所有した場合と、個人で株を所有した場合、どちらが税金の計算の上で得なのかお伝えしたいと思います。

 

なおNISAについては、別枠になるので、今回の動画では解説を行いません。

個人の税金の扱い

まず初めに、

まず、株を始める場合、【一般口座】【特定口座(源泉徴収なし)】【特定口座(源泉徴収あり)】の3種類の口座の開き方があります。

 

それぞれ、以下のような特徴があります。

 

【一般口座】・・・「年間取引報告書」を自分で作成

【特定口座(源泉徴収なし)】・・・「年間取引報告書」を証券会社が作成、確定申告必要

【特定口座(源泉徴収あり)】・・・「年間取引報告書」を証券会社が作成、確定申告必要なし

 

確定申告をするためには、一年間に株の運用でどれだけ儲かったのか計算した「年間取引報告書」が必要になります。

これを作成するのが面倒なので、もし確定申告が必要ない場合は何もしなくてもいい、【特定口座(源泉徴収あり)】を大抵の人は選択します。

 

 

利益がでた場合

では実際に株を運用して儲かった場合ですが、株のもうけは 分離課税 という少し特殊な計算をされることになります。

配当所得については、総合課税を選択することもできますが、この動画では説明を簡略化するため分離課税を選択した場合でお話します。

分離課税を選択した場合の税率は、

 

20.315%    になります

 

これは、  所得税15.315% と 住民税が5%  の合計になるため

 

1億もうけようが、2億もうけようが税率は一定です。

 

余談ですが、ソフトバンクの代表の孫正義さんは、役員報酬は1億ほどですが、ソフトバンク株の配当金は100億を超えるそうです。

 

役員報酬には  所得税の最高税率の45% と 住民税10% の

 

合計55%   が課税されますが、配当金には  20.315%  しか課税されないわけです。

 

2兆円以上の個人資産を持っているといわれる孫正義さんですが、このような税金の仕組みを考えると、株を持った創業者が資産形成を行う上でいかに優遇されているのかが分かりますね。

 

 

損がでた場合

孫さんの話で勝手に盛り上がってしまいましたが、それでは逆に損が出た場合、個人の税金の計算上どうなるのでしょうか。

 

冒頭で、【特定口座(源泉徴収あり)】の場合は確定申告の必要がないとお伝えしましたが、損が出た場合は、確定申告をする必要があります。

 

なぜする必要があるのかというと、それは、 赤字を3年間繰越  できるからです。

 

えっ、青色申告でもないのに!

 

そうです。

 

青色申告でもないのに株取引について優遇されていて損失の繰越が可能です。

 

ちなみにNISAの場合は、利益が出ても非課税になる代わりにこの 

 

損失の繰越をすることができません。

 

 

法人の税金の扱い

まず初めに、

ようやく法人の方にやってきました。

 

そもそも、法人で株式口座を開設することができるのかということですが、結論はできます。

 

ただし、年間取引報告書は発行されない場合があるようです。

 

ただ、法人の場合は、年間取引報告書を自分で作成する必要があるのですが、個人に比べて作成は簡単になります。

 

というのも、法人で株を保有した場合は源泉徴収の必要がないからです。

 

源泉徴収というのは所得税の前取りです。

 

法人はもちろん個人ではないので、源泉徴収という概念がありません。

 

なので、年間取引報告書にはいくら儲かったのかがわかればそれでいいので、個人よりも計算は楽になります。

 

利益がでた場合

法人の税率は固定になります。

 

そして、利益によって税率が異なります。

 

法人の税率は800万円を境に大きく変わります。(資本金1億円以下の中小企業の場合。)

 

利益800万円までが、約25〜28%。

 

利益が800万円を超えると、それにプラス5%ほど加算された税率が適用されます。

 

法人の場合は節税などを有効に使えば個人に比べて利益を抑えることもできるので、もうけについては25%程度の税率となります。

 

あと個人で所有する場合との違いとしては、会社のもうけであれば例えば、 

せどりの赤字であっても株のもうけと相殺できる  

点が挙げられます。

 

損がでた場合

では、損が出た場合ですが、まず、会社全体で利益が出ていたら、その利益と株の損失を相殺して、その利益に応じた税率が適用されます。

 

では、株に損失が出た結果、会社全体で損失が発生した場合ですが、その場合は、なんと

 

10年間損失の繰越ができます。

 

個人事業をされている方からすると、えっ!っていう感じですよね。

 

笑っちゃうぐらい長い年数の繰越ができます。

 

それぐらい、法人は税金の計算が優遇されているということです。

 

個人の場合は、例えば個人事業と株をやっていて、3年連続で株で赤字の場合、4年目も赤字なら、4年前の赤字は宇宙の彼方へ消えて無くなりますが、法人で持っていれば4年目5年目に黒字が出れば過去の赤字と相殺できます。

 

それ以前に、事業の黒字と相殺できます。

 

もちろん、法人で計算するためには証券口座自体を法人名義で開設する必要があるということはお忘れなく。

 

楽天証券とかでも法人口座の開設は可能です。

 

まとめ

個人で株を保有して利益が出る場合は、税率の面など優遇される部分も多いです。

 

しかし、赤字が出た場合は、法人で保有する方がメリットが多いように感じます。

 

赤字を出すつもりで株を始める人はいないでしょうが、現実、株で利益を出せる人は少数派になります。

 

いずれにしても、株を始める場合は慎重にされた方がいいと思います。

 

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