本編
県税事務所からの電話
県税事務所から電話がありました。
役所から電話があると仕事柄ドキッとすることが多いのですが、県税事務所から電話が掛かってくる場合、個人事業税のことがほとんどです。
一回だけ関与したクライアントさんの件で、個人事業税のお尋ねを送ったけど返送がありませんというものでした。
個人事業税について馴染みのない人も多いと思います。
その最たる理由は、290万円の控除というものがあります。
個人事業税というのは、誰でも課税されるわけではなく、確定申告で利益が290万円以上出ている事業者でないと課税されません。
その税率は、ほぼほぼ5%(一部の業種は違います。)になります。
例えば、利益が490万円の場合、
(490万ー290万)✖️5%=10万円の税額が課税されます。
この個人事業税を管轄しているのが、県税事務所になります。
請負業に関するお尋ね
個人事業税が馴染みのない税金の理由を少しお話ししましたが、個人事業税にはさらに独特の制度というものが存在します。
それは、請負業の場合だけ、【個人事業税「請負業」に係る照会書兼回答書】という名前の書類が送られてきます。
今回、このお尋ねの回答をしていないということで、一度関与した私に連絡が来たのです。
この書類に何が書いてあるのかというと、例えば、
- 事務所を自宅と別で設けていますか。
- ホームページやタウンページなどに広告掲載をしていますか。
- 仕事用の事務機器などを所有していますか。
など、10項目以上について質問が記載されています。
この回答の状況で、個人事業税における事業者かどうかが判定されるのです。
これが例えば、税理士のような士業であれば、このようなお尋ねは来ません。
290万円の利益を超えた場合は、即課税されます。
このような税金は、数ある税金の中でも非常に特殊です。
なので、例えば、元々従業員だった人が1人親方として独立したけど、実態は従業員と変わらないような場合は、課税されません。
しかし、このお尋ねを書かなかったら、そのチャンスを自ら手放したようなものです。
県税事務所の職員の方も、返信がないの場合は、課税することになりますとおっしゃっていました。
出さなければ、100%課税されるお尋ねなので、提出しても課税されてしまうかもしれませんが、とりあえず提出してみる価値はある書類になりますので、このお尋ねが届いた1人親方の方は必ず返信するようにしてください。
というか、県税事務所の人も税理士に電話しているのにも関わらず、「個人事業税とは290万円以上の利益が出た事業者に掛かります」って、思わず「知ってます。」と返答してしまいました。
まとめ
利益が290万円で、ここには青色申告の65万円控除は考慮されないので、意外に課税されることもある税金になります。
お尋ねの初っ端が、自宅以外に事務所を構えていますかという質問なので、税金の実態判定というのは、まだまだ、店舗があるのかどうかが大きなポイントになるようです。
編集後記
県税事務所の職員から
「個人事業税とは290万円以上の利益が出た事業者に掛かるのですが」私
「知ってます。」今日のハイライトは、算数の先生に対して、「九九とは掛け算なのですが」的なことを言われたことです。
— 丸山友幸🌒院卒税理士チャンネル運営者(目指せ登録者1,000人) (@marutomo06) December 15, 2020
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