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<誰でもできる!?>研究計画書、修士論文で判例文の部分引用という簡単テクニック

 

昨日は ABC コンサルを受講いただいた方の第2回目のzoomミーティングを行っていました

 

私のコンサルを受けて頂く方の多くは研究計画書をどのように書いたらいいかわからないといった方がほとんどです

 

昨日受講いただいた方もそんな研究計画書っていったい何なの?といった疑問を持っている方でした

 

私はコンサルをさせて頂く際にテーマを一緒に決めていくのですが、その時は必ず全員の方に同じ勉強方法をしていただきます

 

それは本を読むということです

 

なんなのそれだけ?と思われる方もいるかもしれませんがそれだけです

 

しかし、これが最も重要なのです

 

私は 本を読むだけの期間が1か月ほどあると十分だと考えています

 

それまでは一切文章を書かなくてもいいと思っています

 

ではこれが何故かということを説明しながら 今回のブログのタイトルである部分引用なテクニックについてお伝えしたいと思います

税法論文が書かれる基本的な流れ

こと税法の論文に関してはある裁判の判決文について 裁判官の言った内容について議論して書かれることが非常に多いです

 

すごく有名な判例で大島訴訟というものがありますが この判例なんか大島訴訟というキーワードで検索をかければ10冊以上もその判例の専門の論文が出てきます

 

有名な判例でなくても判決が決まった瞬間に税法の教授はこぞってそれを題材にした論文を書かれます

 

出版社からの依頼があってかかれる教授もいるかと思います

 

そしてその流れがある程度 沈静化して再び似たような事例があった場合に過去の参考文献としてその時書かれた論文を読んだ上でさらにまた新しい教授もしくは実務家の方が論文を書くという流れです

 

税法の暗黙のルール

私は論文作成の際にほとんどのコンサル生に租税判例百選<第6版>というものを買っていただきます

 

最近では、すでに持っているコンサル生の方も出てきました

 

この租税判例百選というものはどちらかと言うと先行研究ありきで書かれた判例評釈がよく収録されています

 

その証拠に 平成20年判決が出されたAdobe事件に関しては参考文献が金子教授をはじめ6冊紹介されています

藤枝 純「独立企業間価格の意義(1)」pp.140-141

 

つまり租税判例百選に収録されら約2ページの論文というのは最低でも6冊の過去の論文を参考にして書かれているということです

 

このように税法の文章というのは過去の研究を確認した上で書くというのが暗黙のルールです

 

それはパクリでもなんでもなくそれが普通なのです

 

それを踏まえた上で今回ま判例を引用する際の簡単なテクニックをお伝えしたいと思います

 

 

部分引用のテクニック

これは私が毎週購読している税のしるべに書かれていた内容の一部をピックアップしたものです

 

平成25年10月17日東京地裁判決では、「住宅は全体として居住の用に供されるべき3LDKの2階建て住宅であり」「居住用部分と事業用部分とを明確に区分することができる状態にないことが明らか」であり「当該時間中はリビング等が本件各業務専用に使用されていたことがあったとしても」「本件業務の遂行上必要な部分を明確に区分することができないものといわざるを得ない」として必要経費に算入しませんでした。

TAINSコード(Z263―12311)

「第1回/自宅で仕事の場合で業務に必要な部分は客観的な基準での証明が必要」

税のしるべ電子版(令和元年10月7日 5面)

 

 

この文章では東京地裁判決で裁判官が判事した内容が引用されています

 

「住宅は全体として居住の用に供されるべき3LDKの2階建て住宅であり」

 

括弧でくくっているというのは原文をそのまま引用しているという意味になります

 

このかっこがいくつかの文章に区切られて合計4つこの文章では引用されていることがわかります

 

これが今回お伝えしたい判決文の引用のテクニックです

 

つまり どういうことかというと研究計画書など書き慣れていない方は引用と言われたら原文をそのままコピーペーストするという風に考える方がいらっしゃると思います

 

確かにその方法でも問題はありません

 

しっかりと引用元の脚注をつけておいてどこから引用したかしっかり示しているのであれば その引用の方法は間違っていないということです

 

しかし それだけでは人に読んでもらうための文章としては少し物足りません

 

しかも研究計画書というのは3,000字とか4,000字というように文字数制限があります

 

その中で自分の言いたいことをまとめるというのは非常に大変な作業になります

 

そこで判例の引用の際もこのようにひとふく工夫を加えます

 

つまり 引用したい判例文が1000字あったとしますその中で今回引用されてるように部分部分をピックアップしてそれをつなぎ合わせて文章を要約するのです

 

これをしてるかしてないかだけでも読み手の印象は全く違ったものになります

 

判例文というのは総じて読みにくいです

 

今回の判例本はTAINSと言う税理士登録していないと見れない専門のサイトから引用されています

本件住宅は、全体として居住の用に供されるべき3LDKの2階建て住宅であり、その構造上、本件住宅の一部について、居住用部分と事業用部分とを明確に区分することができる状態にないことが明らかであり、リビング等を各業務の専用スペースとして常時使用し、それ以外の用向きには使用していなかったとは考えられない。したがって、地代家賃のうち本件住宅の全面積にリビング等が占める割合に相当する部分を各業務の遂行上必要な金額であるという原告の主張を採用することはできない。

私はTAINSに登録申請中で原文が取得できたらまたその原文のその内容を貼り付けたいと思います

しばらくお待ちください

TAINSからの引用が出来るようになりましたので、原文の引用を掲載しました。(2019/10/29更新)

 

原文をかなり読みやすくしてまとめられているのがよく分かると思います

 

どうでしょうか

 

これは知ってるか知らないかだけの差ですよね

 

しかしこういった細かいことの積み重ねで文章の印象というのは全く変わってきます

 

もしこの文章を読まれて今研究計画書を書こうとされている方があれば 是非実践してみてください

 

まとめ

誰しも研究計画書には論文というのは書いたことがないためほとんどの人は素人です

 

税法の文章というのは引用することが普通です

 

なのでその研究計画書を書くときは 参考文献を読み込むことが必要になります

 

判決文の部分引用と言う方法でワンランク上の税法の文章を目指してみてください

 

 

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丸山友幸(まるやまともゆき)
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