まいどおおきに!
税法大学院合格コンサルタントのTOMOYUKIです。
税理士試験の法人税、範囲は広いし猛者ばかりだし、試験委員によっては応用論点出るわで、難関資格と言われる税理士試験の中でも最強の難易度として位置付けられています。
かくゆう私も簿財を合格して、その勢いで意気揚々と法人税法に向かっていって、見事に撃沈した苦い経験を持っています。
法人税の試験勉強をしていたことで、会計事務所では法人税法を勉強していることで、法人の確定申告の作成などについてはすんなり入っていけた感もあります。
しかし、法人税法の膨大な論点のうち実務で使用するノウハウはほんの一部で、勉強したほとんど項目については実務経験6年の中で一切使いませんでした。
そこで、今日は、これから税法科目への挑戦をご検討中の方向けに実務で使う法人税の知識をランキング形式でお伝えして行こうと思います。
なおこのランキングは、中小企業をメイン顧客にした会計事務所で使用するランキングになり、上場企業などを顧客にしている会計事務所には当てはまりませんのでご了承下さい。
タイトルにも入れていますが、税理士試験で法人税法を受験予定の人については以降の文章は見ない方がいい内容になります。たぶん、モチベーションが下がります。
目次
実務で使用する法人税ノウハウベスト10
No1.別表4(所得の金額の計算)
法人税の計算ひいては税金の計算において最も重要なのは、いくら儲かったのかということだ。
儲けた金額に税率を掛けて税金を計算することになる。
会計ソフトで計算した利益を真っ先に記載することになる別表4の知識が栄えある第1位に認定した。
No2.中小法人等の税率
会計事務所のお客さんはほぼ100%中小法人等(資本金が1億円以下など)に該当する。
中小法人等は税率が安く設定されている。
実務での申告書作成においてもこの税率は頻出する。
No3.別表1(税額計算)
法人税の確定申告書の1ページ目。
会社の印鑑もこの別表1に押印することとなる。
申告書の顏という意味も含め、この位置にランキングした。
No4.別表7(1)(繰越欠損金)
法人を設立する大きなメリットは赤字を長い期間繰越すことが出来る点だ。(現状10年)
実務においても、赤字決算はよくあることだ。
なので、別表7(1)はよく使う。
No5.別表2(同族会社の判定)
法人税法では同族会社に厳しい法律を設置している。(いわゆる伝家の宝刀といわれる法人税法132条など)
その判定をするため、別表2はほぼ必須で確定申告のたびに登場する。
No6.別表5(1)(利益積立金額及び資本金等の額の計算)
いわゆる法人税における貸借対照表。
こちらもほぼ必須で用意しないといけない別表である。
貸借対照表のように、この書類に記載された金額は来期以降に繰り越されていく。
No7.別表5(2)(租税公課の納付状況等)
こちらは、おなじみの納税充当金などの税金を税務署に納めているかどうかの管理書類。
法人税の申告書では、所得税の申告書とは違い自分で税金の納付状況を管理する必要がある。
No8.役員給与
法人を作る大きなメリットの1つに役員給与の設定というものがある。
しかし、利益操作を防止する目的などから定期同額給与といったルールを守る必要がある。
そのため、実務でも押さえておくべき論点と言える。
No9.交際費等の損金不算入
会社の経営者になるとお付き合いも大事ということで、接待交際費を自由に使えることは会社経営の1つの魅力と言える。
ただ、際限なく交際費を使用する経営者も一部存在するため。
一定額を調整する交際費の規定は実務でも必須の論点と言える。
No10.少額の減価償却資産等
中小企業等に認めらる規定の1つに30万円以下の固定資産の経費計上がある。
税金を減らす意味でも実用的な側面からも実務上よく使われる知識と言える。
実務で使わない法人税法の知識たち
棚卸資産の評価
有価証券の税務
デリバティブ取引
為替予約差額の配分
資産の評価損益
金銭債務の償却差損益
新株予約権
保険金等の圧縮記帳
災害損失金の特別控除
債務免除等があった場合の欠損金の損金算入
収益の帰属年度の特例(リース譲渡)
収益の帰属年度の特例(工事進行基準)
借地権等
移転価格税制
タックスヘイブン税制
過少資本税制
過大支払利子税制
試験研究費の特別控除
特定同族会社の特別税率
使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例
組織再編成等全ての論点
グループ法人税制の全ての論点
法人課税信託
公益法人関係税制の概要
組合事業等による損失がある場合の課税の特例
論点の参考ページはこちら
私の経験が少ないからかもしれません。
会計事務所経験6年、申告業務関与数200件超ですが、上記の内容については実務で一切触れることはありませんでした。
実務で役立った法人税法の知識
税理士試験の法人税法の勉強で最も役立ったと思ったのは、別表ごとの連動性の理解になります。
なんなのかというと、法人税の別表は、それぞれが独立しているわけではなく、それぞれの別表で計算された数字が他の別表に転記されていきます。
その計算結果が別表4に反映されて税金の額を計算する仕組みになっています。
法人税法の勉強せずにいきなり実務で法人税の別表を作成する場合は、この連動性の理解が初めの壁になります。
私は、法人税法を勉強してから実務の世界に入ったので、ある程度スムーズに業務に入れたと思います。
法人税法は受けるべきか?
関連記事でも書いていますが、法人税法の合格には最低でも3年が必要だと考えています。
私の周りで合格した人の多くは受験3回目で受かったという人が結構多いです。
2回目の受験で受かる人は相当優秀だと思います。
実務で使わない知識も多いため、大学院で税法免除を検討されている方などは、無理に受験する必要はないと思います。
基礎を押さえるだけであれば法人税法の基本書もでていますし、法人税法能力検定を受けて基礎力を上げることも出来ます。
結局、実務のノウハウは実務でしか磨けませんので、実務で使いたいという目的で法人税法を受験することは、遠回りになる可能性が高いと言えます。
まとめ
税理士試験の法人税法は、税理士試験の最難関の科目であることは間違いないと思います。
税理士資格の取得という目的を達成するルートはいくつか存在します。
法人税法の受験というのは、目的達成のためには時間と忍耐が相当必要な選択肢であることが伝わればこの記事の存在意義があると思います。
息子の成長日記
昨日に引き続き、息子は保育園に半裸で登園しています。
保育園に到着すると素直に服を着てくれます。
外面が良いところは誰に似たのかと思っています。
スキー検定2級持ち、現在1級挑戦中の税理士・行政書士です。
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既婚で、7歳の男の子と3歳の女の子の父親です。
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