がんばる税っ!
みつばち会計事務所の丸山です。
会社が潰れる原因の一つにキャッシュフローの悪化があります。
黒字であっても手元に現金がなくなると倒産してしまいます。
黒字倒産を防ぐためには、作成している会計データを管理用に活用することが求められます。
今日は、その中から負のキャッシュサイクルについて解説します。
ターゲット
資金繰りに悩む社長
狙い
キャッシュサイクルの理解と何を改善するべきなのか、資金繰り表の重要性を解説する
商売のお金の流れ(キャッシュサイクル)
一般的な小売業について商品を売ってお金をもらうまでの流れ
仕入 ▶︎30日 販売
▼45日 ▼30日
支払 回収
物を仕入れて、その支払いをするのが、45日後でそれを販売して回収するのが30日足す30日の合計60日となります。
60日-45日の15日間については、手元資金がない場合は借入などの資金調達が必要になります。
30日+30日ー45日=15日
この15日の期間を管理会計では、 機会原価 といいます。
よく、在庫がなかったので売る機会を逃してしまったときに機会損失という言葉が使われますが、意味合いは似ています。
いずれにしても機会原価の期間はできるだけ短い方がいいわけです。
管理会計では、この期間を キャッシュサイクル といいます。
キャッシュサイクルの計算式は以下のようになります。
棚卸資産回転期間+売掛金回転期間ー買掛金回転期間=キャッシュサイクル
キャッシュサイクルを短くする方法としてよく、棚卸資産回転期間や売掛金回転期間を短縮するか、買掛金回転期間を延ばすといった方法がとられます。
負のキャッシュサイクル
このキャッシュサイクルですが、棚卸資産回転期間や売掛金回転期間が短い場合、もしくは買掛金回転期間が長い場合は、計算上マイナスになります。
そんな場合があり得るのか。
例えば、総合スーパーなどのように、掛仕入れで現金販売を行っていて、仕入業者に対する強い立場を利用して、買掛金の支払いを商品販売後とするようなケースが考えられます。
仕入 ▶︎30日 販売
▼45日 ▼0日
支払 回収
つまり、キャッシュサイクルの計算は、
30日+0日ー45日=△15日
となります。
なので、当然機会原価も発生しないので、借入をする必要はありません。
よく現金商売の小売店が潰れない商売と言われるのは、このような負のキャッシュサイクルが発生しやすいからになります。
負のキャッシュサイクルという一見するとあまりよくないイメージを抱くような名前ですが、事業を継続させる上ではとても有利な状況にことを示しています。
キャッシュフローについて
結局、キャッシュフローと言われる資金繰り表は、損益計算書をキャッシュサイクルの形にするために修正を加えた物と捉えることができます。
キャッシュフロー計算書には、会社の財務状態の有利不利がわかるように表示されていますが、正しく理解するのは難しいです。
キャッシュサイクルの式であれば、どこが財務の弱みになっているのか簡単に把握することができます。
棚卸資産回転期間+売掛金回転期間ー買掛金回転期間=キャッシュサイクル
この公式の中で、売掛金回転期間と買掛金回転期間は、締め支払いの期間を当てはめればいいでしょう。
棚卸資産回転期間については、毎月棚卸しをしないとなかなか把握することは難しいと思います。
そういう意味では在庫管理というのはとても重要になります。
クラウド会計ソフトfreeeと連携できて、比較的簡単に在庫管理ができるアプリもありますので、資金繰りに不安を感じる経営者の方は使ってみるのもいいと思います。
まとめ
中小企業にとって資金繰りは死活問題になります。
経営が傾いてからは融資の審査も厳しくなります。
会社の財務状況を正しく把握するためには、このような管理会計の考え方を経営に応用することはとても有効です。
息子(2歳5ヶ月)の成長日記
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