本題
売上1,000万円以上
1,000万円とあえて言わずに、999万円とタイトルをつけてみましたが、すごい違和感です。
売上が1,000万円を超えるかどうかというのは、事業をしている人にとっては大きな違いがまだあります。
インボイス制度が始まったことでより複雑になりましたが、2年前の売上が1,000万円を超えると消費税を納める事業者となるため、脱税の手法としてこの付近の売上を集計せずに申告を行うという人からのご相談を受けることもあります。
ただ、本当に1,000万円を超えていないにも関わらず、売上が1,000万円を超えて表示されるということがあります。
税込か税抜か
それは、税抜経理か税込経理かによって変わってきます。
税込経理で1050万円の売上だとしても、税抜経理だと960万円ほどになります。
しかし、これを1,050万円で表示するのか、960万円で表示するのかによって、税務署から見た印象も変わってきます。
さらに、インボイスの関係で10月からインボイス発行をする事業者の場合、消費税の判定は、免税期間である1月から9月までは税込で、10月から12月までは税抜で計算する必要があります。
実務でもあり得る
こうなるとややこしいです。
実際に今年関与させていただいたクライアントさんで、税込の場合1,020万円になるのですが、10月から12月までを税抜で計算した場合990万円に収まった例がありました。
これをそのまま税込で表示させると1,020万円となり、2年後に計算を行う際に2割特例が使えるのに使えなくなってしまったり、取引環境の変化で免税に戻りたいような場合にややこしくなります。
税務署としては、1,020万円で把握しているので、1,000万円未満のような雰囲気で計算をされると、何かあるのではとあらぬ疑いをかけられてしまう可能性があります。
このような場合の対処法ですが、基本は税抜経理で計算を行いつつ、1月から9月までに売上から発生した仮受消費税を売上に振り返る仕訳をすることで、消費税で使う課税売上の考え方に近づけることができます。
具体例
1月〜9月 税込770万円、税抜700万円仮受消費税70万円
10月〜12月 税込242万円、税抜220万円仮受消費税22万円
こうなっている場合、1年間を税込で集計すると1,012万円となります。
これを消費税の課税売上の考え方に合わせると990万円(770+220)となります。
ちなみに税抜経理で、1年間を集計すると920万円となります。
インボイスが10月から適用となった関係で、売上の表示が3パターン考えられます。
消費税のことも加味すると、990万円が一番実態を表しています。
こうするには、会計ソフト上、税抜経理に設定して、1月から9月までの仮受消費税を売上に振り返る仕訳を9月までに入力する必要があります。
終わりに
こうなってしまうのは、会計ソフトは基本的に1年間で消費税の税込、税抜経理の設定を変更することになっているので、途中で変更できないのが原因となります。
令和5年の消費税については、このようにイレギュラーな年となっていますので、お気をつけください。
息子&娘(6歳6ヶ月&2歳6ヶ月)の成長日記
娘がiPadを真剣に見ている顔は可愛いのですが、目が心配です。
対策としては、iPad置きで顔からの距離を確保して、ブルーライトカットのフィルムを注文しました。
スキー検定2級持ち、現在1級挑戦中の税理士・行政書士です。
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既婚で、7歳の男の子と3歳の女の子の父親です。
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