会計事務所に丸投げしていて、決算間際になって、短期貸付金がありますが、どうしますか?
みたいな質問を受けたことはないでしょうか。
私も何度か、短期貸付金が増えてしまった試算表を見たことがありました。
融資にとってはかなりの確率でマイナス要因となる短期貸付金!
それはどのようにして発生するのでしょうか。
●法人成りを検討中の経営者
●税理士を雇っていない経営者
●融資を受ける予定の法人
●試算表を作成したい経営者
目次
3つの短期貸付金が増える理由
短期貸付金が増えてしまう原因は主に3つあります。
1つずつ詳しく見ていきたいと思います。
理由①役員報酬の支払額が生活費に満たない。
これは実は良くあるケースになります。
例えば、役員報酬が60万円だった場合でも社会保険料や税金などが引かれると45万円ほどしか手取りがない場合が普通にあります。
しかし、生活費として60万円を使っている場合、毎月15万円ずつ会社から借金していることになります。
逆に考えると、会社が社長にお金を貸している状態になります。
これが、短期貸付金になります。
短期貸付金を増やさないためには、生活費として使う金額以上に役員報酬を設定する必要があります。
なので、毎月の生活費がいくら掛かっているかを把握しておくことが大事になります。
私もそうですが、自分の生活費がいくらなのかは意外と把握していないものです。
家計簿を付けないとしっかりとは分からないですよね。
自分も家計簿は付けていないので、家庭の生活費がいくらかははっきりとは分かりません。
住宅ローンの支払いや保育料、飲み代など、 意外にいっちゃってる事 は多いです。
まず、自分が考えているよりも生活費は多くなっていると思います。
理由②領収書をなくしてしまっている。
そんなことあるのというような理由ですが、あるんです本当にあるんです。
多いかというと実際、この状況に陥ってしまうケースは少ないです。
会計事務所に資料を毎月送ってると結構、大丈夫なことが多いのですが、半年に一回送るとか、いつ送るか決まっていなかったりすると、領収書を紛失してしまうことが稀にあります。
すると、何が起こるかというと、会社の口座からお金が減っているのに使ったことを証明するための領収書がないため、会社が社長にお金を貸していることになってしまいます。
はい出ましたね、この状態!!
短期貸付金が発生しました。
この状態ですよ!
この状態!
会社が社長にお金を貸している状態
だから、短期貸付金と言うんです。
理由③法人成りの際に個人時代の債務超過をそのまま引き継いでいる。
これは、一から会社を作る場合ではなく、個人事業をある程度継続していて、さらに個人で借入をしていて、さらにさらに、その借入金のかなりの金額が生活費に回っている場合に発生しています。
これはある意味、特殊なケースになる。
1,000万円以上個人事業時代に借入がある場合に発生しやすいと感じます。
債務超過の状態とは、資産より負債の方が多い状態になります。
専門的に言うと上記のような表現となりますが、分かりやすいのは、借入金を生活費に使ってしまっている場合になります。
このような状態で法人成りをしてしまうと、借入金を社長が使ってしまっている状態なので、やはり、短期借入金が発生してしまいます。
短期貸付金は少しずつ増えていく
増える原因は生活費
短期貸付金が増える会社というのは、徐々にその金額が増えていく傾向があります。
それは、短期借入金が増える理由は、そもそも生活費が多いためです。
生活費はご存知の通り、なかなか減らすことは難しいですよね。
一時的に数字には表れない理由はこれ
さらに、毎月、短期貸付金が増えているのに決算書上に短期貸付金が表示されない理由は、短期借入金が短期貸付金を吸収しているからになります。
短期借入金は社長が資本金以外で会社の口座に入れたお金になります。
しかし、短期借入金の残高がなくなると、裏返って短期貸付金になります。
決算間際に短期貸付金を消す方法
決算日までに短期貸付金がある場合に、決算書上で表示させないようにする方法は1つだけあります。
それは非常に単純な方法になるが、会社の口座に短期貸付金の金額と同額以上のお金を入れることです。
ただし、注意しないといけないのは会社のお金以外の金額を預け入れる必要があります。
なので、会社口座の振替では意味がないですし、個人事業からの法人成りで法人に引き継いだ個人通帳から預け入れてもダメなのだ。
完全に個人の資産を会社の口座に預け入れなければいけない。
そうすれば、短期貸付金を決算日の時点で消すことが出来る。
決算間際に短期貸付金を消す方法の具体例
具体的には、決算日が3月31日の場合、3月31日までに個人の資産から会社の口座に入金するという方法である。
しかし、これは最終手段だと考えた方がいい。
なぜなら、この時点で会社の財務状態はかなり悪くなっていると考えられるからだ。
いずれにせよ、早めに会社の状態を数字で把握しておくに越したことはない。
今は会計ソフトもクラウド会計などが進化しているので、早めに経理することも昔ほどは難しくなくなってきている。
まとめ
短期貸付金、事業が大きくなって、社長の生活が派手になってくるとその増加スピードは増していきます。
そして、いざ蓋を開けたら、多額の短期貸付金が発生していたということが起きてしまいます。
その原因は、主に3つです。
『役員報酬の支払額が生活費に満たない。』『領収書をなくしてしまっている。』『法人成りの際に個人時代の債務超過をそのまま引き継いでいる。』
このような状況が考えられるなら決算を迎える前に一度、月次の決算書である試算表を作成してみてもいいと思います。
スキー検定2級持ち、現在1級挑戦中の税理士・行政書士です。
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よろしくお願いします。
1、役員報酬の支払額が生活費に満たない。
2、領収書などをなくしてしまっている。
3、法人成りの際に個人時代の債務超過をそのまま引き継いでいる。