【継続or改正?】税理士免除大学院の科目免除制度は今後どうなるの?

こんばんわ、税法大学院合格コンサルタントのTOMOYUKI

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税理士法は、今から67年前の昭和26年に今の形で制定されました。

それより昔は、税務代理士法という名前で税理士法の前身となる制度がありました。

税理士免除制度というのは、税理士法施行当初から存在しており、大きな改正を挟んで現在に至ります。

今回は、その改正の歴史を確認しながら、今後、制度が継続されるのか改正されるのかを予測したいと思います。

今後、大きな法改正はあるのか

結論

なんともいえないというのが本音ですが、私は、改正の可能性は低いと考えています。

その理由は、平成26年に税理士の登録要件について議論がされましたが、その内容は公認会計士、弁護士に対して「税理士資格」を自動付与する制度の廃止を訴えるものです。

税理士の科目免除について公の議論にさえ上がってない点から、今のところ科目免除の要件を変更するといった動きはないといえます。

>>平成26年税理士法改正について

日本税理士会連合会

だからといって、現状のまま制度が続くかとはいえば100%そうとは言い切れない部分はあると思います。

 

受験生は減っているのに、新規税理士登録者数は横ばい

税理士試験の受験者数は毎年減っています。

税理士事務所の就職斡旋サイトなどもそのことに触れて税理士事務所に就職してえ大丈夫かといった内容のことを見ることもあります。

ただ、この情報だけで税理士が不人気になっていると判断するのは少し早合点と言えます。

その理由は、税理士の新規登録数は横ばいという事実があるからです。

>>佐藤茂税理士事務所

こちらのサイトはよくまとまっています。

理由は簡単で、免除者の登録者数が高いのと、公認会計士がジョブチェンジで税理士業界に移って来ているからである。

こういった5科目合格者より免除合格者の方が多い状況を国税庁や税理士会がどう受けとめるかで、今後の税理士免除制度が変わらないとも言い切れないと思います。

 

法律改正は施行日から効果が発生する

もし、税理士法が改正されて免除制度がどのように変わるのか、税法1科目免除のみになるのか、選択必須の法人税と所得税は必ず合格する必要があるのか分からない。

ただ、そこまで焦る必要もない。

というのも、実際に改正が決まっても実際施行されてから制度は変わるからだ。

歴史を紐解くと、税理士法は平成13年に大きな改正があり、無試験で税理士資格をとれる制度から、現在の制度に変わりました。

その改正の際は、施行日の後に入学した人が対象になって、施行日前に入学していた人たちは改正前の制度が適用されています。

法律の改正は、必ず国会で改正案が出て施行日までタイムラグがあります。

なので、改正の情報にアンテナを立てておいて、改正されそうになったら大学院に入っても現行制度が適用される可能性が高いと言えます。

ただ、その時は同じように考える人が多いと思いますので、当然倍率は高くなるでしょうが。

 

現在の税法大学院免除制度

税法大学院に入学して、論文を書いただけでは税法2科目免除することは出来ません。

作成した論文は、

〒100-8978東京都千代田区霞が関3-1-1 国税庁内 国税審議会会長宛

に送る必要があります。

そこで、論文の内容を確認されます。

内容は、税理士法に定めるものである必要があります。

 

税法に属する科目その他財務省令で定めるものに関する研究により修士の学位又は同法第百四条第一項に規定する文部科学大臣の定める学位で財務省令で定めるものを授与された者で税理士試験において税法に属する科目のいずれか一科目について政令で定める基準以上の成績を得た者が、当該研究が税法に属する科目等に関するものであるとの国税審議会の認定を受けた場合には、試験科目のうちの当該一科目以外の税法に属する科目について、前項に規定する政令で定める基準以上の成績を得たものとみなす。

 

法律は実に読みにくいですね。

この条文で注目しないといけないところは、

①その他財務省令で定めるものに関する研究

②税理士試験において税法に属する科目のいずれか一科目について政令で定める基準以上の成績を得た者

の2箇所です。

 

①その他財務省令で定めるものに関する研究

国税庁のHPで、

 財務省令で定めるものとは、(1)税法の試験科目以外の租税(関税、とん税及び特別とん税を除く。)に関する法律、(2)外国との租税(関税、とん税及び特別とん税を除く。)に関する協定を扱う科目、(3)「税法の試験科目及び(1)・(2)」に類する科目とされています。
なお、(3)には、複数の税法を横断的に扱う科目(例:租税法)等が該当します。

 

 

と説明されています。

つまり、税理士試験科目以外の税金でも卒業論文のテーマとして認められるということになります。

例えば、国税通則法などの法律のテーマも認められることになります。

ただし、関税やとん税(外国貿易船の入港の際に関する税金)などの税関が管轄する税金に関するテーマの論文は対象外ですという内容になります。

さらい言うと税関の管轄する税金以外のテーマの論文であれば地方税でも認められるということになります。

 

②税理士試験において税法に属する科目のいずれか一科目について政令で定める基準以上の成績を得た者

これは、税理士試験の税法の科目のいずれか1つ合格することを表しています。

税理士試験の受験科目には、大きく分けて、会計科目と税法科目があります。

そのうち、税法科目は9科目あります。

そして、法人税法と所得税法は選択必修科目といって、普通に5科目合格を目指す場合は、どちらか一方を合格する必要があります。

税法大学院で論文を書くことによって、最難関科目である法人税と条文数が最も多い所得税などの選択必須科目を受験する必要がありません

 

ダブルマスターとは

 

今から、16年前の2002年4月に税理士法が劇的に改正されました。(いわゆる平成13年改正

この改正で、今では、あたりまえとなった税理士法人の設立が可能となりました。

そして、大学院を2つ卒業することで、無試験で税理士になれる制度も廃止になりました。

これが税理士資格におけるいわゆるダブルマスターと呼ばれるものです。

例えば、法律学の修士、もしくは財政学の修士の学位を取得することができれば、税法に関する試験が免除になりました。

さらに、商学修士の学位を取得すれば、会計学に属する科目も免除されます。

つまり、試験を受けずに、大学院さえ卒業すれば税理士になれました。

時代とはいえ、20代ぐらいの受験生には想像もできない状況だと思います。

また、当時の受験生にとっては大問題だったでしょうね。

大学院に行けば税理士になれると思っていたのが、法改正で試験を受けないといけなくなったわけですから。

 

 

まとめ

●今のところ、免除制度の改正が行われる兆候はないが、今後も改正がないとは言い切れない。

●改正案が出ても、通常、施行日まではタイムラグがあるので、そこから大学院受験を考えてもギリギリ現行制度が適用される。

●税法の免除は、関税以外の税法のテーマで修士論文を書くことで認められる。

●過去にダブルマスターという無試験で税理士になれるルートがあった。

 

 

>>税法1科目取得は、大学院免除と組み合わせることで税理士資格取得

ものすごく近づきます。大学院関係の記事もぜひお読み下さい。

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