なぜ、元請けは1人親方にしたがるのか。それは、元請けが得しまくるからです。

本題

1人親方。

聞こえはいいですが、税務の知識があるものからすると、損な役回りだと感じます。

その理由についてお話ししたいと思います。

社会保険料の節約

個人事業の場合、5人以上常時使用人がいる場合、法人の場合は、給料を支払う場合は社会保険への加入が強制となります。

なので、ある程度の規模の会社だと従業員を雇った場合、社会保険に加入させなければいけません。

しかし、社会保険の負担は年々上がっており、会社の負担は給料の約15%を負担する必要があります。

月々の給与の金額や賞与の金額などで多少変動しますが、年収500万の社員がいる場合、会社は実に、約75万円を負担する必要があります。

これを回避するため、雇用契約から請負契約に形式上契約を巻き直して従業員から1人親方として本人の責任で国民健康保険、国民年金の加入してもらうのです。

それだけで、会社の保険料の負担は75万円浮くことになります。

消費税の節税

次に大きいのが消費税の節税です。

従業員と1人親方の大きな違いは、雇用契約か請負契約かの違いです。

実は、この契約の違いは消費税の計算にも影響を与えます。

消費税には、非課税と言ってお金が動いても消費税が掛からない取引がいくつか存在します。

実務上、その代表格が給料になります。

つまり、給料は消費税が非課税で、1人親方に支払う外注費は消費税が課税になります。

なので、元請けの会社は1人親方にすれば、500万円のうちの消費税に相当する部分約45万円を節税することができます。

ただし、このスキームは実態は従業員の時と形式が全く変わっていないということで、税務調査で指摘されて、元請けの会社が負けることも多いです。

失業保険がなくなる

少なくとも、上記の2点は元請けの会社にとっては非常にメリットになることです。

あとは、1人親方として外注にされると、元請けは労基の目を気にする必要がなくなります。

つまり、残業代の請求など日本の従業員に対する保護政策から外れてしまうということです。

そうなると、元請けとの関係性が悪くなったときに仕事が突然貰えなくなったりしてしまいます。

雇用保険にも入っていないため、失業保険も貰えない状態になってしまいます。

元請けの立場からすると、未払い残業代の請求に怯える必要はなくなり、元請けに非常に有利な価格で調整することができてしまいます。

1人親方の対策

1社からだけの受注は危険といえます。

どんなに強固な信頼関係を構築していたとしても、人間関係というのは何かのきっかけで一瞬で崩壊してしまいます。

その時に、1社からだけしか受注していなければ、たちまち売上が0円になり露頭に迷ってしまいます。

できるだけ、取引先の数は増やしておくべきです。

あと、公的年金などの保険はしっかり加入しておくべきです。

今は大丈夫でも、怪我をして働けなくなった時に備えておく必要があり、その基本は社会保けなどの社会保障になります。

弊所はミニマム法人専門の会計事務所になるので、ミニマム法人を作って家族で社会保険に加入する方法は1人親方の方には最適の自己防衛になると考えています。

まとめ

元請けは、従業員から外注化することでコストカットと労務リスクを回避することになります。

しかし、それは逆に1人親方側からすると、将来の年金の減少、失業リスクの増大になります。

なので、一社からのみの下請けは危険ですし、ミニマム法人を活用した社会保険への加入などで対策をする必要があると言えます。

 

編集後記

今日は、確定申告ラスト1件について、資料がほぼ揃ったので進めていきます。

 

息子(3歳6ヶ月)の成長日記

今日も保育園に行く前に廊下のドア全て閉めて行きました。

これは、何期なんでしょうかw

イヤイヤ期なんでしょうか。

 

ヨガ日記(SOELUソエル)

今日も、朝7時から骨盤はがしヨガを受講しました。

夜更かし気味の今朝だったので、動きにキレがなく反省です。

 

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