本題
扶養控除
扶養控除とは、確定申告において、生計を一にする親族であって、その親族の所得が合計所得金額が年間48万円以下で、青色専従者などとして支払いを受けていない人のことをいいます。
つまり、介護をするとなって、親の身体的や財産的な扶養を行う場合(施設入所の場合も含みます)に適用することができます。
65歳未満の親の場合は年金収入が108万円(48万円+60万円←年金の概算経費)以下なら、扶養親族の要件を満たすことになります。
そして、65歳以上の親の場合は、年金収入が110万円までであれば所得金額は0円になります。年金収入が110万1円から329万9,999円だと、110万円の控除が受けられます。つまり、65歳以上の場合は、年金収入が158万円(48万円+110万円←年金の概算経費)以下なら扶養親族の要件を満たします。
扶養控除を受けれる年金収入の範囲
また、配偶者控除は38万円の所得控除ですが、親が12月31日時点で70歳以上の場合は、別居で所得48万円、同居の場合は58万円の所得控除を受けることができます。
障害者控除
介護が必要になると、身の回りのことができなくなり、介助が必要になります。
言葉として適切かは分かりませんが、税金の計算を行うのにあたって所得控除として障害者控除があります。
配偶者控除や扶養控除などのメジャー所の控除と違って、少しマイナーな控除になりますが、障害者控除の特徴としては、本人及びその配偶者が障害者控除の要件を満たせば適用を受けることができます。
障害者・・・27万円
特別障害者・・・40万円
同居特別障害者・・・75万円
親の介護が始まって、生計を一にしている場合、これらが適用される可能性があります。
要件は以下の通りです。
と言いたいところですが、長くなるので、詳しくは、国税庁のHPを確認してください。
介護が必要になって、障害者手帳などの公的な機関での認定を受けていないような場合で、該当する可能性があるのが、以下の要件になります。
(8)その年の12月31日の現況で引き続き6か月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる)人
なおこの人は、特別障害者となります。
がんで闘病中や脳梗塞の後遺症で、これに該当すれば、障害者手帳などがなくても特別障害者として、障害者控除を受けることができます。
年収500万円のサラリーマンの場合
では、例えば、年収500万円程度の夫婦子供1人世帯がこれらの控除を受けたとすると、どれぐらいの税金の控除になるのか試算してみたいと思います。
まず、年収500万の人の給与控除と社会保険控除、並びに配偶者控除、基礎控除を引いた金額は、大体ですが、200万円程度になります。
ここに、所得税と住民税が掛かってきます。
所得税の税率は、10%、住民税も10%なので、合わせて20%になります。
この20%を、扶養控除と障害者控除の合計金額に掛けると、実際に控除される税金が計算できます。
例えば、70歳の父が脳梗塞で倒れて施設に入り、自分の扶養に入れた場合、扶養控除が48万円、障害者控除が40万円なので、合わせて88万円になります。
この88万円に20%を掛けると、約15万円の税金の支払いが無くなります(住民税の計算では、少し控除金額が少なくなるので、その影響で金額を小さくしています。)。
5年の還付請求
確定申告を忘れていた場合でも大丈夫です。
申告期限から5年以内であれば、遡って申告することができます。
もちろん、ご自身ですることもできますが、自営業の方の場合、更正の請求という少し難しい申請になるので、税理士に依頼してしまった方が時間効率を考えるといいかもしれません。
例えば、5年丸々申告を忘れていて、1年15万円の税金が返ってきた場合、75万円が還付されることになります。
所得税を10%で計算していますが、年収が高かったり、他に収入があって税率が高くなると、還付される税金はもっと大きくなるので、もし、上記のようなことがあれば税金の申告を検討しても良いのかもしれません。
まとめ
人的控除は、税金の計算上、かなり手厚く設定されています。
該当する方は、確定申告をお忘れなく、忘れていても、5年以内であれば遡って修正することが可能です。
ただし、親が非課税世帯でそもそも別生計になっているような場合は、原則、生計を一にしているとは言えないため、親を扶養にも障害者控除の適用も受けることができませんので、ご注意ください。世帯が分離されている場合、ご自身が親の金銭的な面まで面倒をみているのかどうかも加味。
息子&娘(5歳3ヶ月&1歳3ヶ月)の成長日記
保育園の職員さんがコロナに感染し、楽しみにしていたお遊戯会が延期になってしまいました。
まだまだ、コロナの影響は続いています。
スキー検定2級持ち、現在1級挑戦中の税理士・行政書士です。
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既婚で、7歳の男の子と3歳の女の子の父親です。
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